書物

『ブックガイド 文庫で読む科学』

岩波のこのシリーズは短く分かりやすいことば(私が分かるかは別)で書いてあるのでお気に入り。 これは第一線の研究者が科学を知り、科学的に考えるとは何かを考える機会を与えてくれる文庫で読める作品を紹介するもの。中身の要約だけですでに理解できない…

田中克彦『ことばと国家』

ことばと国家 (岩波新書)作者: 田中克彦出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1981/11/20メディア: 新書購入: 7人 クリック: 25回この商品を含むブログ (30件) を見る

谷崎潤一郎『文章読本』

びっくりするほどの国威発揚、及び東西文化の二項対立。「いかに日本語で書くか」というよりも、「日本語で書くとはいかなることか、日本語の背景にある素晴らしい文化」について書かれた本である印象を受けた。時代背景を考えれば当たり前のことかも知れな…

飯島澄男『カーボンナノチューブの挑戦』

分かりやすい言葉で書いてある。しかも短い。しかし分からなかった。これは作者の力量うんぬんとかではなさそう。そもそもこのシリーズは導入編であって、少し興味を持てばそれでいいのかも知れない。 ところで十年近く前の話なので、まだまだ実用には遠いよ…

富岡多恵子『ニホン・ニホン人』

ニホン・ニホン人 (1978年) (集英社文庫)作者: 富岡多恵子出版社/メーカー: 集英社発売日: 1978/01メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る

福岡伸一『生物と無生物のあいだ』

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)作者: 福岡伸一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/05/18メディア: 新書購入: 56人 クリック: 1,487回この商品を含むブログ (1107件) を見る

荒俣宏『レックス・ムンディ』

話の全貌が結局つかめず。あらすじとしては分かるのだけど肝心の所がよく分からなかった。そしてファタン家の人々は一体どうなったんだ?その後どうなったのか気になりすぎる登場人物が多すぎ。結末がちょっとあっけないような気がします。 純粋な一神教とし…

レックス・ムンディ

半分。徐々に飽きてきた。ちょっと長すぎる。 古川日出男の『アラビアの夜の種族』に手を出そうと思っていたけど、それにも飽きる予感がしてきた。ペソアは放置してしまっているし。

レックス・ムンディは当たりだった

こういう話大好き。

星野智幸『目覚めよと人魚は歌う』

恋人との過去の思い出に生きる女性のところに、乱闘騒ぎが元で逃亡生活を決意した日系ペルー人とその恋人とがやってくる…。 この話をまとめるのがひどく難しい。それぞれの名前はなにやら意味を持たされていそうで(糖子とか日曜人とか)、それだけで異世界…

森見登美彦『太陽の塔』

ずっと気になっていたのをようやく読みました。 どこを切り取っても物語になるような、あの街にあるあの大学での物語はずるい、と思うのはその場所をよく知っているからなのか。それにしても、一体主人公はどこの体育会に属していたのだろうか? わたしは相…

新たに読み始めたのは

ペソアの『不穏の書』。同語反復や否定の否定が多くて読みにくいことこの上ない。しかもポルトガル語から英語への翻訳なのでよけいにだと思う。でも、こういう本がいちばん好きだ。この表紙の写真も好きで、バジャドリードで偶然写真展があって見に行ったの…

Anaya, Rudolfo. Bless Me, Ultima

ようやく読了。長かった。 平原を放浪し、風と共に生きる父の家系と、大地に根を下ろして農業を営む母の家系との狭間で、またキリスト教の神と、それ以外の神々との狭間で、スペイン語と英語との狭間(これは大きなモチーフではないにせよ)で揺れ動く少年の…

デビット・ゾペティ『いちげんさん』

通勤にかかる時間は片道一時間、そのうち本を読める状態なのは三十分くらい。ということは、一日一時間ちょっとは最低でも本を読むことになる。新書一冊読破するのは厳しく、小説も日本語で書かれた短いものなら一冊読めるけれど、翻訳物は無理だし洋書は言…

川上弘美『蛇を踏む』

初めて川上弘美を読む。出てくるイメージは嫌いではないけれどべったりとはりつく感じがだめだわ。 何で読んだか忘れたけれど男性に好かれる女性作家として名前が挙がっていた。どこで読んだんだろう。蛇を踏む (文春文庫)作者: 川上弘美出版社/メーカー: 文…

浦出善文『英語屋さん―ソニー創業者・井深大に仕えた四年半』

英語屋としての身の立て方を解く本ではない。ある日突然創業者の英語係兼鞄持ちになってしまった著者の思い出話が大半。だけど、偉い人に随行して通訳をしたり、お客様を迎えたり、そういうときの周到な下準備や心構えなどは参考になりそう。この仕事を著者…

上野久『メキシコ榎本殖民』

日本民族の拡大を狙い、国内の矛盾の解消を求めて海外への移民が盛んになった明治時代に榎本武揚により推進されたメキシコ殖民。調査不足、資金不足などにより早々に殖民団は瓦解するが、残ったものの中には自力で生計を立て小学校を建てるなど、地元の住民…

フィリップ・K・ディック『マイノリティ・リポート』

やっぱおもしろいわディック。と読むたびに思うのに、読んだ内容を数日のうちにすべて忘れてしまうのはなぜ?今までに何冊か読んでいるはずなのだけど、タイトルしか思い出せない。これもそうなるのだろうか。 映画『トータル・リコール』と『マイノリティ・…

川上未映子『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』

川上氏のブログは人から薦められていて、ユリイカの文化系女子の特集でも少しだけ読んだのだけどどうもはまり込めずにいた。口語体(それも関西弁混じりで)がわたしには読みにくく、きっと口語体っていうのはその言葉を自分も持っている人しか楽しめないも…

そろそろ

小学館西和中辞典が出る模様。その前に三省堂のクラウンを買えよ、という話であるが…。辞書がどんどん更新されたり、新しいのが出たりするのは喜ばしいこと。

佐野眞一『旅する巨人―宮本常一と渋沢敬三』

宮本常一は人間としては弱いところがあって、女性問題もあったようだし家族にはかなり迷惑をかけていたようだがそれがあっても妻が最終的に許してしまうような魅力のある人だったようだ。何かに徹底的にこだわって追求できる人だけがすばらしい業績を生むこ…

熊谷徹『ドイツ病に学べ』

ヨーロッパの中でも大国のドイツが直面するさまざまな危機について。『格差社会』を読んだあとだったのでドイツの社会保障の手厚さには改めて感動したけどそれが国の財政の首を絞め続けてる、というのも納得…。手厚い保護を受ける側としてはうらやましい限り…

橘木俊詔『格差社会―何が問題なのか』

読んでいて暗い気分になりました。さまざまな統計資料を駆使しているので、もしかしたらその統計資料の持つ意味とその使い方をよく知らないがために、著者の意見に引きずられているのかもしれないとは思うけれど。日本はすでにずいぶん不公平な社会になって…

白井恭弘『外国語学習に成功する人、しない人』

トイレで読了できるほどコンパクト。日本人がなぜ英語習得に失敗しがちなのか、第二言語習得理論の変遷、学習に役立つTipsなど手短にまとめてあって参考になる。「こうして私はマスターした!」という本ももちろん参考になるけど、こういう学問的な見地から…

鳥飼玖美子『危うし!小学校英語』

ざざざと読める。小学校英語が必修になるとかならないとかで話題になってるので急いで出版されたのかな。 著者と全く同意見で、小学校から英語を教える必要はないと思っている。 で、指摘もあったように英語(に限らず)で異文化の人と交流するときに、いか…

中川裕『アイヌ語をフィールドワークする―ことばを訪ねて』

著者は人と関わることがそんなに得意ではなかったので、あえてフィールドに参加してみた(学部生の頃)というようなことが最初の方に書いてあったけど、人と向き合うことができる人なんだと思う。そして人が好き。日本の中で見えないものとされているアイヌ…

Rudolfo Anaya. Bless Me, Ultima

Maxine Hong Kingstonが私には難しいのでこちらを。チカーノ文学の古典。まだ40ページ読んだのみ。文章は読みやすい。話はあまりに分かりやすい二項対立と7歳とは思えないほど賢すぎる主人公に時折「?」となるけどけっこうおもしろい。スペイン語を知らない…

中島由美『バルカンをフィールドワークする』

マケドニア語の研究をしている著者のバルカン体験記(ではなく、言語学の本なのかもしれないが、そうとは思えない)。ユーゴ崩壊前の留学ドタバタ話から、ロシア留学顛末記、バルカン料理自慢、などなど200ページくらいだけど著者がバルカンの文化と言語地理…

中内光昭『DNAがわかる本』

分かりやすいたとえ話をたくさん入れて、やさしい言葉づかいで説明してあるのでとっつきやすい。高校の生物の教科書を一歩進めた感じなのかな?なので、高校の生物の知識がしっかりあるならとても分かりやすいと思う。図もたくさん入っている。巻末に索引も…

調子に乗って

The Woman Warrior: Memoirs of a Girlhood Among Ghostsを読み始めたが昨日まで読んでたAn Island Like Youと比較にならないほど読みにくいよ…。読みにくい理由は多分、1)単語が難しい、2)中国の文化の中で女とは何か、ということを問題にしているので…