白井恭弘『外国語学習に成功する人、しない人』

トイレで読了できるほどコンパクト。日本人がなぜ英語習得に失敗しがちなのか、第二言語習得理論の変遷、学習に役立つTipsなど手短にまとめてあって参考になる。「こうして私はマスターした!」という本ももちろん参考になるけど、こういう学問的な見地から分析してもらうと「これでいいのかしら」と不安になりながら勉強しなくてすむので効率が上がりそう。
インプットの重要性について、意味が八割分かるものを何度も聞いたほうがいい、というのと、何も分からなくても取りあえず聞き続けるのはいい、というのは生かすべきかも。アウトプットについてはなかなか日本語環境にいては難しいと思う。直してくれる人がいないと間違いが固定してしまうのでよろしくないようだし、モチベーションも下がる。でも毎日少しずつでもやらないとだめ。
あとショックだったのは、英語、中国語、韓国語話者が日本語を勉強した場合、最初から英語話者は差をつけられる上にその差は学習を進めるに従いどんどん広がっていく、ということ。スペイン語に関して日本語話者と、ヨーロッパ言語の話者とのハンディはそれ並みってことだろう。努力じゃどうにもならない部分があると思う。

外国語学習に成功する人、しない人―第二言語習得論への招待 (岩波科学ライブラリー)

外国語学習に成功する人、しない人―第二言語習得論への招待 (岩波科学ライブラリー)