フィリップ・K・ディック『マイノリティ・リポート』

やっぱおもしろいわディック。と読むたびに思うのに、読んだ内容を数日のうちにすべて忘れてしまうのはなぜ?今までに何冊か読んでいるはずなのだけど、タイトルしか思い出せない。これもそうなるのだろうか。
映画『トータル・リコール』と『マイノリティ・リポート』の原作が入っていて、「追憶売ります」があまりに映画と違っていたので驚く。あくまで原案であって、内容はまるで違う。原作はどことなくユーモラスだし短いのだけど、映画はシュワちゃんだからかしらないがバイオレンスでハードな感じ(かつどこか安っぽい部分も)だった。
ああ、あといちばん印象深かったのは、データ解析をする部分で、データそのものを提供しているのは予知能力者なのだけど、それを分析した結果がカードで出てくるのよね。今、カードでデータ吐き出すってあるのか?「手をかざすだけで消えるドア」なんかはSFでおなじみで、今もまだそんなものは存在しないので未来っぽいけど、情報関連の技術は五十年前くらいからは想像がつかないほど進歩してしまったのかもしれない。

マイノリティ・リポート―ディック作品集 (ハヤカワ文庫SF)

マイノリティ・リポート―ディック作品集 (ハヤカワ文庫SF)