日記

コロナウィルス流行のため、三月四月の仕事がすべてキャンセルになった。

二月二十二日からギリシャ、三月一日から八日までイギリスに滞在し、九日に帰国した。ギリシャは滞在当時ようやく感染者が出た程度で、イギリスは感染者の数が増えつつあったものの、若者はお構いなしにクラブなどに繰り出しているように見えた。同時期、すでにイタリアは死者も多くて大変なことになっていたが、スペインは八日時点で世界女性の日デモを盛大にやっていた(その後感染者大幅増)。出国の時は自分がウィルスみたいな気持ちだったけど、帰国してみたら、流行地ヨーロッパから帰国した危ない人になっており、辛い。帰国から二週間待ってから行ったのに、病院で危険人物扱いされてしまった。

世界全体鎖国状態だし、個人的な付き合いも制限を受けて、苦しい。自由に特に何も考えずに動き回ってきたが、今はできない。京都市内ですら、気ままには動き回れない。むき出しで売られている食べ物を買いたくなくなってしまい、パン屋にも行けていない。

日本は自粛要請に過ぎないので勝手に好きなことはできるが、ほとんど何の指針もなく、ただもしこれで何かが起こったらひどい社会的制裁を受けることがわかっており、自分で何をすべきか何をすべきでないか全て決断しなければいけない。イギリスみたいに、何をして良くて何をしてはいけないのか、明確にしてほしい(それでも足りないらしいが)。これはしたらダメ、と禁止したら、その活動を保障しなければならなくなるので、政府は何も言えないのだと思う。うんざりすることばかりだが、日々暮らしていくしかない。

スペインのニュースも、イギリスのニュースも、アメリカのニュースも、もう追うのをやめた。正しかろうと誤っていようと、この国の枠組みの中で生きるしかない。物理的にここから外に出ることもできないのだから。ネットのニュースは言葉によらずできるだけみない。感染者速報を逐一チェックするのと、朝京都新聞でまとめて知るのと、生き延びる確率が特に変わるとも思えない。

 

読書が救いになりつつある。子どもも、日々を救ってくれていると感じる。