004 坂井栄八郎『ドイツ史10講』

高校の世界史の教科書が頭に入っていれば、すんなり理解できるわかりやすさ。一つ一つの事件の細かい解説よりも、その文脈、その後の影響を説明する方に重点が置かれているので、何も知らない状態ではちょっとわかりにくい(この本のせいではない)。通史はつまらないのだが、楽しい歴史本を読むためには勉強するしかないらしい。
ドイツで歴史がどのように教えられてるのか知りたくて、中高生用の参考書を紐解いてみたら、何とヨーロッパとアメリカ一色だった。近代になれば植民地化するからアフリカやアジアなんかも出てくるのだろうけど、ヨーロッパの中世に中国やアラブの王朝で何があったか、の記述は見あたらなかった。日本が出ていないのはともかく、中国や、イスラム関係の王朝を無視するってどういうことか。イスラムや中国への厳しい見方、一方でエキゾチックなものとして珍重する態度ってのはこの辺にも原因があるのかもしれない。日本の世界史はけっこうまんべんなく教えていると思う。イスラムの王朝とか中国の皇帝とか、ペルシャの王朝とか、やたら覚えたような…。

ドイツ史10講 (岩波新書)

ドイツ史10講 (岩波新書)