026 西山千 松本道弘『同時通訳おもしろ話』

日本の同時通訳第一人者西山千と、その弟子を自任する松本道弘の対談みたいな本。二人が英語で行った対談の一部を収録したCDつき。
西山氏はアメリカ育ちで、現地の大学も出ているので英語はほぼネイティブなのだが、日本語には努力が要ったようだ。「仕事で必要なのでやったまでです」といったようなことを淡々と述べておられる。毎日のルーチンの中でベストを尽くすのがもっとも難しいのではないかと思う。大きな目標があってそれにがんばる!とかではないからな。ハングリー精神がもっとも大切とのことで、食うためになんとしてでも仕事を確保して見せるという気迫と、「楽しいから☆」というのとでは出る結果はおのずと異なってくるだろう…。
対談であっという間に読めてしまう。タイトルの「同時通訳おもしろ話」を期待すると少し違うかもしれないけど、英語で第一線でしかもパイオニアでやってきた人の気迫を感じられるという点で良書。ただ買うまではないな。

同時通訳おもしろ話 (講談社プラスアルファ新書)

同時通訳おもしろ話 (講談社プラスアルファ新書)