エメ・セゼール『帰郷ノート/植民地主義論』*3

セゼールはシェイクスピアテンペスト」の書き直しで名前を知った。確か"Le Tempest"とかだったと思う。こういう「抑圧されたものによる告発」のような本を読むと、常に他人事としてしか眺められないと感じる。そして、そのような感覚を持った状態で、「ポストコロニアル!」と盛り上がることを躊躇する。カリブ海の「クレオール」などを巡る日本語での書き物から受ける印象と、あまりにも違う。日本語での書き物は妙に明るいのだ。でも、セゼールの本はエネルギーを感じるが明るくはない。