TOEIC

2007年か2008年に受けて以来、数年ぶりにTOEICを受験しました。
聞き取りは最初のセクション、絵を見てどれが正しいか選ぶのが一番難しいと感じました。日常で触れる状況ではないので、訓練する必要があるのだと思います。文法は全く分からないものが数問あり、勘で解きました。これも、普段英語に触れていたとしても事前の対策が必要です。リーディングについては、普段からメールや仕事で見る文章と大差なかったので楽でした。普段から英語で仕事をしていて、大量のメールや英語の文書をさばかなければいけない人にとっては難しいものではないでしょう。
2時間続くテストで一番問題だったのは、集中力が切れそうになることでした。特に最後のリーディングは気が遠くなりそうになります。内容が大しておもしろくもないというのもよろしくない。その次は、メモを取ってはいけないというところです。実際どの程度チェックされているのかよく分からないのですが、問題文への書き込みは禁止されています。近くにいた受験生は問題用紙に線を引いたり丸を付けたりしているようだったので、見逃されるのかもしれません。リスニングでは聞きながら選択肢に印を付けると解きやすいことが多いので、メモが取れないとあいまいな理解の問題ほど解くのが難しくなっていきます。
受験生は大学生が半分以上を占めているように見えました。学生ではない人もいたかと思いますが、見た感じ20代の人が多かったです。就職、進学、転職にTOEICがないと困るので受けている人が多いのでしょうが、あのような中身のつまらないテストの対策のために、貴重な学生生活の一部をつぎ込まなければいけないのは、よくないことだと思います。私はいろいろな語学のテストを受けまくりましたが、TOEICの内容は群を抜いておもしろみがありません。問題文を読んでいて楽しいと思うことがない。他のそれなりのレベルのテストであれば、ニュースだったりちょっとしたエッセイだったり、インタビューの再現だったりと、読んだり聞いたりして興味を惹かれる話題も多いけれど、TOEICはビジネスメールや広告ばかりでおもしろくありません。もちろんTOEICに出てくるようなメールの文章や言い回しをきちんと分析、覚えて、自分でも同じようなものが書けるようになれば、ビジネスにも役立つのは確実なので、英語運用能力を上げたり測ったりするのに役に立たない試験とは思いませんが、点数を上げ、テクニックを覚えるのに血道を上げるのは、時間の無駄なんじゃないかと思ってしまいました。英語で日本とは違う文化背景がある人とやりとりするとき、もちろん語彙や言い回しの語学の知識も大事だけど、それ以外の背景知識が持つ役割は非常に大きいと思います。文化的な話ではなくても、最近の経済やら自然科学やらなんでもいいのですが、少しでも英語で分かるかどうか。それが、TOEICの学習を通じて強化されることはまずないと思います。学生さんが他のことできる時間で就職のためにTOEICを勉強しなければいけないとしたらなんだかいやな風潮だなあと思っています。特に、600点以上取れるような、英語で書かれた一般的な文章にも触れる力がある人がTOEIC学習に偏るのは本当にもったいない。