その他雑感

最悪でも9か月という終わりがあること、原因がはっきりしているし嬉しいことであること、夫の協力があったこと、だらだら一日中寝ていることに抵抗がないこと、などにより、思い出すだけで泣けるとか、こんなつわりなら二度と妊娠したくない、ということはない。行動的で自分自身が動き回らないと心が落ち着かない人、他人に世話してもらいつつ寝ていることに罪悪感が強い人にとってはひどく辛いかもしれない。ただし一日に10回吐いたりすると本当に嫌になるし、料理が好きなのに食べたくも作りたくもなくなるのは悲しくなるし、友達とも会えなかったし、外に出ていろんなにおいがすると気持ちが悪いし、楽ではなかった。あとぼんやりとして全く集中できなかったし半分別の世界にいる人みたいになっていた。
吐き気は胃腸風邪とか食中毒で吐いて体が裏返るような、全身から血の気が引くような、ああいう感じとは違ってもっとすっきりとしているので食中毒がずっと続くみたいなしんどさはなかった(もちろんしんどいし背中に力が入って体が痛い)。思わぬ効能として、免疫が下がるのかつわりの最中は花粉症が全く出ず、アトピーもよくなった。さらに、ホルモンのせいなのか妊娠前よりも機嫌がよく、寛容である気がする。単にぼーっとしてあんまりものを考えなくなっただけかもしれないが…。
しんどいときは本当にしんどく、気合いで何とかなるとか気のせいだとか甘えだとかではなくコントロール不能にしんどく、腹の子を思うと無理することも怖い、そういう状況が無関係な人にも共有してもらえたらいいのになあと何度も思いました。私は主に家で寝ていただけだけど、私は起き上がれなかったあの状況でも働きに出たり子どもの世話をしている人は多いはず。電車で毎日通勤している人、立ち仕事をしている人、しんどいときも休めない人、たくさんいると思うけど、つわりで辛い時に周りが助けたり休めるようになったら本当にいいのに。しかし「つわりしんどいし流産リスクもあるので、妊婦のことは思いやってください」っていうと、だから女性はかわいそうだから働かず専業主婦になって家で休んでいたらいいよ、という謎の配慮も生まれそうなのでその辺を喧伝すべきなのか難しいと思った。妊婦でもつわりがなくて全然苦しくない人も実際いるので体験談もまちまちで、あの人はこうだったのに、自分はこうだったのに、お前は甘えてるのか!と見なされることもありそう。
3月末から四月頭くらいは体が楽になって浮かれて出歩くと翌日揺り戻しがあり、胎児が自分を忘れるなとアピールしているようであった。あと今思いだしたけど、ろくに食べられず一日に5回くらい吐いていたので私は痩せていったのに、胎児の成長が無茶苦茶順調だったのは、嬉しい反面おそろしいと思った。エコーで見たら手足を激しくばたつかせていてだるまに小さな手足がついたみたいな起き上がりこぼしのような形なのになぜかかわいいと思ったが、同時に私とは別の人格があきらかにそこに存在していたので私が何をしようとこいつは好き勝手するんだろうな…胎教を実践して子どもがおとなしいいい子になりましたみたいのが妊婦雑誌にあったがそういうのは無理なんだろうな…と悟った。