CPEとは何なのか

というのを全く説明していなかったので分かる限りで。
イギリスのケンブリッジ大学提供のケンブリッジ英検というものがあり、CPEはその最上級に当たる。ヨーロッパ共通のALTE語学レベルフレームワークC2に相当する。各国語でどのような試験・レベルが提供されているのかについてはALTEのサイトをご覧ください。
スペイン語で同レベルに相当するDELE Nivel Superiorを2007年に取得しているが、CPEはより難しいように感じた。難しいと感じた点は2点。

  1. 設問が難しい。リスニングにしてもリーディングにしても、1つ単語を落とすと分からない問題もあり、全体を7割ほど理解できても解答できない問題が多い。
  2. ライティングに求められるレベルが高い。筋の通った、文法的に間違いのない文章を書けるだけではだめで、その場に応じた言葉遣いが求められるらしい。

DELEではそれほどひねった設問はなかったように思う。また、ライティングもそれほど難しくなかったように記憶しているが、あの頃は通訳学校にも通ってスペイン語を猛勉強していた上に、日頃からネイティブと会話する機会が多かったので、簡単に感じた可能性もある。
CPEは難しいとは書いたが、リスニングやリーディングに関しては、問題に慣れること、単語量のアップで十分に対策可能であると感じた。ライティングは全然練習しなかったので何とも言えないが、できればCPEに詳しいネイティブの指導があれば、点数を稼げる解答が書けるようになりそうである。スピーキングも同様。
昨日帰宅してから今さらのように日本語で書かれた情報をいろいろあさってみた。「これが取れればネイティブ級の英語力が保証される」、「ネイティブも落ちる試験」、「TOEICTOEFLとは異なる世界標準の試験」の三点が大体共通して特徴として挙げられていた。「ネイティブ級の英語力が保証される」とは思えないが、確かに、イギリス人になめられないだけの語学力を見せつけることができると思う。内容は非常にイギリス英語に偏っているし、ネット情報を見ても、英語学校の先生の話を聞いても、面接ではイギリス英語のイディオムにいかに習熟しているかを見せつけるのが大事なようだ。イギリス文化の背景知識も大事らしい(確かに、長文はイギリスの文化について書いてあるものが多くあったかも)。「ネイティブも落ちる試験」であることは想像できる。というのも、出題されている文章が難しい(Economistレベル)し、ライティングの採点基準がかなり高いので、それほど勉強をしたことがなく、普段タブロイドしか読んでないような人は解けないであろう問題が多いからである。「TOEICTOEFLとは異なる世界標準の試験」については、性質が異なるのは確かなんだけど、世界標準とは思えない。イギリスの外の英語圏でどれくらい知られているのか分からない。ヨーロッパ人はケンブリッジ英検が英語力の指標になるみたいなので、ヨーロッパで英語力を問われた場合には非常に有効だと思うが、イギリスにかなり特化した試験なので、求められている英語から見ても、世界標準ではないと思う。
いろんな意見があったけど、CPEがどんなに難関で特殊な試験であってもテストであることは変わらないので、TOEICTOEFLでハイスコアを稼げたり、英検一級を持っていたりする人は特に、基礎力とテストを準備するコツを身に付けているはずだから、CPEもきちんと準備すれば受かるんじゃないかと思う(私は結果を知らないので無責任に言っていますが)。英検一級もけっこう難しいし、そうバカにしたものではない。過去問をチェックしてみたが、語彙のパートなんてかなりのものだと思う。TOEICも高得点を稼ぐにはかなりの訓練と実力が要るはず。
イギリス英語最高峰を目指す、といったような試験なので、試験対策の結果、イギリスのテレビの理解度が上がった。イギリスのことをもっと知りたい、イギリス好き、という人で、すでにかなりの語学力があるひとにおすすめしたい。試験勉強で覚えた言い回しがどんどんテレビやラジオで使われるので、やりがいがあった。
試験とはあんまり関係がないけど、私はこの試験の準備をしていて疑問だったのは、イギリスっぽい言い回しをいかに流暢に操れるかといって、国際語である英語を、ネイティブじゃない人と話すときに、助けになるのかな?ということ。英語はいろいろな環境で身に付けるはずで、イギリスの口語を知らなかったからといってその人の英語力が劣っているわけではない。イギリスを一歩出れば、私はイギリス英語ネイティブとして英語を話すわけじゃなくて、国際語である英語を話すことが求められているはずなので、そこのところはどう折り合いをつけていけばいいんだろうと考えている。