ドイツの魅力について

こちらに来てドイツ好きの日本人に多数会った。わたしは単にドイツに縁あってきているだけなので、特にドイツ好きというわけではない。ドイツはとても住みやすいところだとは思う。東洋人だからといって凝視したり、「ニイハオ!」と言ったりする人もいないし、ドラッグストアに行けば日本とほぼ同じようなものが日本より安く手に入る。街も整然としている。治安もよい。バスなどもわりと時間に正確で、正確すぎて走って乗り込もうとしても目の前で発進するくらい。しかし、住みやすい以外に、魅力がほとんどない。観光地に行ってもスケールが小さくてあんまりおもしろくない。食べ物もそんなにおいしいと思えない。まずくはないが、学んで帰りたいという気にならないという意味で。戦争で焼けてしまったというのはあるんだろうけど、建物が新しすぎたりする。全体に洒落た感じと重厚さが全くない。この二点がヨーロッパの魅力だと思っているので、なんだかドイツはあまりステキに思えない…。最近ドイツの案内本を読んで学習しているのでそのうちに何かが見つかるかもしれない。というか何か見つけてからドイツを去りたい。
日本のよさとドイツのよさは私にとって余り変わらないというか、日本の方が上に思うことが多い。例えば、文房具の性能がいいとか、街の機能が時間通りに動くとか、街がきれいとか(そりゃ下町や繁華街は日本の方がごみごみしていると思うが。でもあのごみごみのほうがどっちかというと好きだったりもするので)。
興味深いのは、歴史的な負の遺産をどのように処理しているかということで、これはもう少しドイツ語を身につけてちゃんと見てみたいと思っている。博物館の第二次世界大戦の展示とか、日本のに似ていて興味深いよ。戦争の歴史を、自国の闇のみとして語るしかないか、明るい未来への抵抗の歴史として語ることができるか、という違いは大きい。ザールラント博物館では、戦争のあとの時代の展示が異常に明るかったりするのも同じだった。