037 ジェニファー・テイラー『キプロスの花嫁』

初ハーレクインですよ。「ブックオフで見かけたら買ってみようかな」と棚を探したらいきなりあったので購入。棚に並ぶラインナップを見ると、「地中海」「シチリア」「ナポリ」「スペイン」など、地中海関連の地名が目白押し。北方の人の地中海への憧れを感じさせる。このさい「タンジール」「チュニス」「リビアの恋人」「カイロの熱い夜」とかないのか、と思うが、そこはヨーロッパでぎりぎり踏みとどまりたいのだろうか。あっても相手は地元土産物商とかじゃなく白人旅行者なんだろうなー。
この本のストーリーは、マンチェスターの看護士が、医師交換プログラムでイギリスに来ていたキプロス人医師を追ってキプロスに降り立つものの、ただの遊びでキプロス人は別の女性と結婚を目前にしているとの話をその医師の従兄弟(これも医者)から聞かされる。彼氏と思っていた男と結婚するつもりで来たのに行き場がなくなった主人公は、従兄弟の働く病院で働き始める。でもう最初から予想がついていたようにその従兄弟と愛し合うようになるが、主人公は、従兄弟は自分を追い返したいだけだと思っているし、従兄弟は主人公が自分の従兄弟である元彼を愛していると思っているし、とすれ違いが続く。もちろんハッピーエンドで最後はプロポーズして終わる。
てっきりハーレクインはレディコミばりのエロ小説かと思っていたが昨今の少女漫画よりもよっぽど健全(?)で歯の浮くようなせりふが語られるベッドシーンが一回あるだけだし、幸せのゴールは結婚であるあたりも古典的で思ったよりも無害な感じだった。
キプロスはオランダ人やイギリス人の溢れる観光地として描かれている。主人公たちが働く病院も遊びに来た観光客の日射病や食中毒や海難事故で忙しい。海があって南国で英語が通じるというのはイギリス人にとっては最高なんだろう。イタリアやスペインを舞台にした場合英語は地元の人に通じないと思うがその辺は物語の展開上どうしているんだろうか…。

キプロスの花嫁 (ハーレクイン・イマージュ)

キプロスの花嫁 (ハーレクイン・イマージュ)