024 『英語とわたし』

英語とのかかわりを有名人がつづる。前に岩波書店が配布していた「岩波文庫とわたし」のようなものをもらったことがあるが、その新書版・英語版といったところ。
引田天功が異色。あと、英語を用いてビジネスをしたりしているわけではないという点で伊藤比呂美も。他の人は仕事で英語を使わざるを得ない人、英語で仕事をしている人ばかりであった(引田天功もそういう意味では同じ)。
「英語好き、話せたらいいなあ」というところからこの本の英語の使い手たちがいる地点までは次元が違うようだし、NOVAが流行って、その後も英会話学校は繁盛している理由というか、NOVAを経てたどり着きたい地点、というのはこの英語が使える人がいるところとはなにやら違うのではないかという感想を持った。
英語は仕事で使っているのにいまだに距離が測れず好きでもない。外国語には興味があって、小学校の頃からNHKラジオ講座を聞いたりしていたのに今はこんなである。自分の希望を簡潔に伝える表現も知らぬまま、口をついて出てくる言葉もないまま、難しい小説を辞書を引いて読んだり日本語でも意味の分からない単語を覚えるような生活をしてきたのがよくないのではないかと思いつつこれから小学生レベルからやり直すのも面倒である。生活の糧として割り切ろうと思いながらも、この本にもあったけど非英語圏の人でスペイン語も日本語も話せない相手(もちろんこちらは相手の言葉を知らない)と話すときの喜びといったらないので、そういうのを考えると英語も話したいのだが。

英語とわたし (岩波新書)

英語とわたし (岩波新書)