柴田三千雄『フランス史10講』

フランス史の概論をつかもうと読んだけど…教科書的なものを期待していたので難しすぎた。「一般的な歴史観」として著者も書いているわけではなく、あとがきにあるように、著者それぞれの見方がにじみ出た通史、であるわけで、手っ取り早く歴史をざっくりつかむには不向き。世界史の教科書の知識くらいは頭に入っていないとよく分からない。フランス革命がこの著者の専門のようだが、その辺りが深すぎてよく分からなかった。巻末に紹介されていた山川の各国史とか、『近代フランスの歴史』あたりを読んだ方がよさそうだ。まずその前に肝心の小説を読むことの方が先だけど。

フランス史10講 (岩波新書)

フランス史10講 (岩波新書)

フランス史 (新版世界各国史)

フランス史 (新版世界各国史)

近代フランスの歴史―国民国家形成の彼方に

近代フランスの歴史―国民国家形成の彼方に

そういえば、フランス関連で入門書を一冊読んだのだった。『フランス入門』。多分もう絶版だと思う。八十年代後半に出た本なので内容が古くて残念だけど、生活、文化、社会システムとコンパクトにまとまっていて、フランスはなんぞやとぼんやり知るのに便利。教育の仕組みとか、政府の仕組みとか、意外と分かりやすく書いてある本はないのではないかな。
フランス入門 (三省堂選書)

フランス入門 (三省堂選書)