htmlにしてフラッシュメモリに保存し、それを開いて貼り付けたら更新できると思いついたのでとりあえず。
こっちにきてもう一月が過ぎた。でも、授業も共同生活も、始まってまだ二週間ちょっとしか経っていないので、そちらはまだまだ慣れない。スペイン語もそんなに劇的に上達するものでもない。
生活リズムにはようやく馴染んだような気がする。こちらでは、日本と生活リズムに約二時間ほどの差があり、昼ご飯は二時過ぎ、夜ご飯は九時過ぎに食べる。夜の九時でも老人が近所のベンチを占領して井戸端会議を開き、子供たちも遊んでいるのには最初びっくりしたけど、おきまりの光景らしい。昼はシエスタの習慣が今もあるので、五時近くまでどこにも行けない。空いているのはカルフールなど外国資本か、一部のスーパーのみ。新聞や雑誌、ちょっとしたお菓子などを売っているキオスコもすべて閉まってしまう。大都市ではなくなりつつあるという話も聞いたけど、ここでは今もちゃんと存続している。バルやレストランは開いているので食事は取れる。
日曜日も劇的に店が閉まっている。開いているのはキオスコ、バル、レストラン、食料品店くらいか。特に午前中はゴーストタウンかのように閑散としていた。慣れてしまえばコンビニがなくても、日曜日に買い物が出来なくても、それなりに暮らしていけるもので、いつでもどこかで買い物が出来る日本のシステムを懐かしくも思わないものだ。すっきりとしていて逆にいいのかも。
ただ、共働きではなくて専業主婦が家にいて初めて成立するシステムかもしれないとも思う。

パソコンに向かう習慣がなくなってしまったので、何を書いたらいいのか分からない。今日はサラマンカから帰ってきた。久しぶりに一人でうろうろとして、食事も一人で取って、ちょっとリフレッシュできた。明日からまたここでの日常が始まる。
昨日は朝十時半のバスに乗り込む。他の留学生もたくさんサラマンカに旅行に行くようだ。同じバスにも知った顔がいた。ヨーロッパの学生は一人旅はしないようで、五人とか六人で旅行するらしい。二、三人ならともかく、五人や六人なんて動きにくいのではないかと思うのだが、どうなっているのかは分からない。飲むときも十人以上いたりするし、部屋もシェアするのがふつうだし、個人とか集団とかの感覚が日本人とは違うのかもしれない。
サラマンカにはお昼前(こっちでの)に着いた。インフォメーションに行って地図と宿の一覧表をもらい、宿探しをする。三軒聞いたが一人部屋は埋まっていてなかったので、三軒目のダブルベッドのある部屋にする。18ユーロ。
貝の家、ローマ橋、大学の外観を見学したあと、若者が入っていったカフェテリアでビールとサンドイッチのようなものを頼む。その後インターネットをする。日本語、韓国語、ヘブライ語、中国語は少なくとも書ける設定になっていて、日本語の書けるパソコンには「日本語」というステッカーまで貼ってあった。
四時過ぎからカテドラルを見学する。Catedral Nuevaはセビーリャで見たカテドラルと同様、天井が高すぎるし巨大すぎて気分が悪くなってくる。Catedral Viejaもお金を払って入ってみたら、そちらは素朴でこぢんまりとしており、気に入った。Ieronimsの塔にも昇る。Catedral Nuevaの天井近くの回廊も歩くことが出来るので楽しみにしていたら予想外に恐ろしかった。近くで見ると、カテドラルの壁はところどころ崩壊寸前のように見え、石がずれたのを金具で止めてある箇所が何カ所もあった。地面は遙か下だし、手先が冷たくなる。
その後はひたすら街をうろうろとしていた。広場で古本市をしていたので、目の色を変えて本を物色する。大学にポルトガル文学の専攻でもあるのか、ペソアの本も何冊かあり、スペイン語との対訳版もあって迷ったが20ユーロだったので買うのをやめてしまった。しかし、よく分からぬままにシルビナ・オカンポのペーパーバック一冊18ユーロを購入していた。それからカブレラ・インファンテのTris tristes tigresも。シルビナ・オカンポはもしかしたら希少本とか絶版とかなのかもしれないけど、そういうのは今のところどうでもいいので買ってしまったあとで値段を確認してへこむ。
服屋やアクセサリー店も見たけど本が高すぎたので買う気になれない。ある店を見ていたら、大学の同級生に偶然会う。なぜかマクドに行き少しおしゃべり。隣の席に13歳か14歳くらいのカップル三組が陣取っていてきゃあきゃあとものすごくうるさい。一人の女の子が隣の男の子をものすごい勢いでたたき続けてふざけていたので、ものも飛んでくるし迷惑だった。女の子はみな美人だった。スペイン人の中学生くらいの女の子はかわいいし変に色っぽいといつも思う。「ロリータ」の世界にも納得する。
マクドナルドはセットのようなものが4.7ユーロもして馬鹿高かったが若者で混雑していた。別においしくもないし、小遣いで行くには高いと思うのだけど。
九時過ぎに雨の中帰宅。この時間が宿に帰るにはとても早い気がするが、することもないし飲む相手もいないのでおとなしくしていた。

今日は九時過ぎに起きて、十時位にチェックアウト。宿はシャワーが有料だったけど、それ以外はかなり快適だった。でも寒かったか…。おばちゃんもおじちゃんも感じよかったし、何よりも安めだと思う。二人だったら20切って泊まれるかもしれない。
昨日のうちにいろいろと考えておいたので、それを消化するべく行動。しかしあれもこれもと考えていたけど、やはり予定よりはずっと少なくなる。まずは大学を見学し、ウナムーノの資料館も行って、市民戦争の資料館も見て、カリストとメリベアの庭を見て、ロマネスク様式の教会をひたすら見学する予定だったけど大学、カリストとメリベアの庭、教会いくつかだけになった。それでもとても駆け足の感じだった。何しろ二時から四時半までお目当ての教会は閉まってしまうのでどうしようもなく、カフェテリアに二件入ったり、店も開いていないのにむやみに街を歩いたりしていた。昼前に訪ねた教会は二つともミサの最中で、キリスト教徒でもないのにずかずかと入っていって眺めるのも忍びなく、ほとんど外側しか見ることが出来なかった。他は開いていなかったりして、ちゃんと見れたのはサン・マルコス教会だけだった。円形の教会の中は静かで、ロマネスク様式のマリア様などもあり、静かな気持ちで一周した。私がキリスト教徒になる日は多分来ないと思うし、血まみれの像を拝むのは理解しがたいと思っているけれど、こういう静かな、今でもずっと信仰の場であり続けている場所に来るとキリスト教への信仰が少し身近に感じられる気がする。巨大なカテドラルは、全く別のエネルギーが感じられて私にはそのよさがよく分からない。ただ、サン・エステバン修道院から眺めたカテドラルは、小高い丘の上にあって天空に浮かぶ別の世界に属している建物のように見えて魅入られてしまった。
サン・マルコス教会見学後、六時前に間に合うようバスターミナルに向かい、バスに乗って帰る。土産にお菓子を買ってきたがあまり興味を示されず少し悲しい。課題などで忙しそうで、また明日に食べることになった。