たまに自分が書いた過去の日記を読み返している。今日も仕事の合間に学生最後の年の日記を読んでいたのだけど、あの頃の方がおもしろいわ。年を取るとつまんなくなってしまうのかな。文章を書きたいっていうささやかな夢、それも忘れてた。自分が感じていることが特別だっていう自負もどんどんなくなるし、小さな出来事に一つ一つ感じ入るっていうこともなくなってきている。就職した頃、「働き出して忙しくて、なくした感受性」について友達と話したけど、忙しくなくても感じる心がなくなっていって、感受性をなくしてしまうの残念なんていう感情もなくなるのかもしれない。これは30過ぎてから顕著で、Don't trust over 30なんて言うけど本当なんじゃないかと思う。20代前半の頃、何を考えてたのか、もうよくわからない。
若い心は心がけ次第で保てるんだって思っていたけど、そうじゃないみたい。じわじわと思い出の量が増えていって、そっちを楽しんでいる方が、新しいことを探すよりもずっと楽しくなる。YouTubeの、90年代のヒット曲に付くコメントは、私と同世代のものなんだろうけど、あの頃はよかったな、今の若者はバカだ、ていう内容のものがたくさんある。自分たちが、そっちの方に行っちゃうなんて思ってもみなかった。その現象を発見して年を取るとはこういうことかとか、物思いにふけるのはおもしろくもあるけど、それでもやっぱりがっかりだ。
ささやかな夢の話に戻ると、情緒的な文章を書きたいとかあんまり思わなくなったけど、今は自分に比較的向いていることを仕事にできているし、最近はじめた新しい仕事も楽しくやってるし、まあいいのかな。多少はショックではあるけど。よく言えば人生の次の段階にやっと踏み出したってことなのかもしれない。