イースター関連の行事のために、エリザベス二世がオックスフォードにやってきた。何とヘリでやってきたらしく、五輪の開会式を思い出させる…。朝は快晴だったので女王効果かと感心していたらすぐに曇り空に。女王様のスケジュールは、まずクライストチャーチに行って、それからオリエルカレッジで食事を取り、再びヘリコプターで帰るというもの。仕事が入ったのでクライストチャーチ到着時には間に合わなかったが、出てくるところには間に合った。
12時頃に中心部に着いたのだが、とりわけ変わった様子はなく、女王万歳な人もユニオンジャックの付いた帽子にスコットランド色のマフラーを合わせたおじいさんしか見かけなかったので、もう全てが終わってしまったのかと思った。クライストチャーチ前に人はそれなりにいるものの、市バスやロンドン行きのバスがばんばん走っているし、人が普通に行き来しているし、市の名前が入った服を着た交通整理の人もくつろいでテイクアウェイのコーヒーを飲んでいるしで、全く緊張感が感じられない。見物客の中にはユニオンジャックを手にした人もいたがそれも少数。沿道を埋め尽くす人々が旗を振る光景を想像していたので本当に今から出てくるのか不安になったがひたすら待った。途中、帽子を被ったエレガントなおばあさまが何人も出てきたが誰も騒いでいないので王室の人ではなく一般人(とはいえ貴族じゃないかと思うが)だったんだと思う。


女王を待つ人々。

あきらめかけた頃、12時半過ぎにカレッジのゲートが開き、中に入るように促される。女王の姿を見れるのかどうかよくわからなかったのでのろのろと移動していたらいい場所は取られてしまった。私が確保した場所の前にはアメリカ人のグループがいて、一人はユニオンジャックを手にしていた。見物人はどうも観光客が多そうな感じ。王室廃止論者がプラカードを持って陣取っているのを期待したがそんな人はいなかった。とりわけ熱狂的な人もいなかったように思う。


子どもたちが出番を待っている。パブリックスクールに通うお坊ちゃま達だろうか。

15分くらい待って女王登場。

女王ばっかり見ていて全然気づかなかったが、手を振っているのは人種差別的発言で有名なエジンバラ公だったようだ。二人ともかなり高齢なのに背筋が伸びている。特にエジンバラ公は遠目で見ると年よりもずっとずっと若く見える。
子ども達に花を渡したりしていたみたいだけど遠すぎてよく分からなかった。その後車に乗り、私の立っている近くも通っていった。

生女王を見るということでもっと興奮するかと思ったがそれほどでもなかった。女王が出てきてもそれほど大きな歓声が起こるわけでもなかった。前のアメリカ人達はヒュー!!とか言っていたが…。日本で天皇家の人を目の前にする方がずっと特別な体験になりそうな気がする。もちろんそれは私が日本人でいろいろ背景を知っているからっていうのはあると思うけど、女王を迎える街のセキュリティの状態も、人々の様子も、特別な人が来るという感じじゃなかったので、特別な体験をしているという感じがしなかった。一回京都に皇族の誰かが来るということで、当時住んでいた家の前の道路が封鎖されたことがあったけど、あれのほうがよっぽど大げさで何かすごいことが起きる、という感じがした。