バチ当たり修道院の最期

バチ当たり修道院の最期 [DVD]

バチ当たり修道院の最期 [DVD]

今月はアルモドバル強化月間ということにしたので、家にあるものから時系列で見ている。今日は長編第三作目のこれ。明日は長編第一作「ペピ、ルシ、ボンとその他大勢の女たち」が届くので楽しみ。

あらすじ
元生物の教師だが今は夜の街で歌手をしているヨランダ。恋人のために手に入れた薬物で図らずも恋人を殺してしまったヨランダは、彼女の大ファンである尼僧フリアが尼僧長をつとめる修道院に逃げ込む。この修道院は存亡の危機にあった。支援してくれるMadre Generalは危篤で先が短く、資金援助をしていた侯爵は死亡、未亡人は支援を打ち切ると言い出したのだ。そこに現れたヨランダに尼僧長は希望を託す。尼僧長はかなりヨランダに入れ込んでいるようだ。他の尼僧たちもくせ者だらけである。官能小説を書いて妹に託して出版している者、かつて犯した殺人の罪を贖うために日々肉体的な苦行を自らに課す者、マリア像に奇抜な服をデザインして着せる者、虎を飼う者…。ヨランダは尼僧長とヘロインを摂取したり、尼僧たちの話を聞いたりしつつ、修道院で過ごす。ある日、かつて修道院に暮らしたが逃げ出してアフリカへと渡った侯爵の娘に関する手紙が届く。この手紙をネタに尼僧長は侯爵夫人を脅迫するが断られる。そんな中、尼僧長の聖人の日を祝うパーティーが開かれ、新しいMadre Generalとその一派もやってくる。ヨランダが尼僧長のために歌を歌う準備をしていると、侯爵夫人が現れて手紙について尋ねる。ヨランダは尼僧長の部屋に忍び込み、手紙は侯爵夫人の手に渡る。ヨランダは歌を披露したあと、侯爵夫人と共に修道院を去る。Madre Generalは修道院の閉鎖を宣言する。尼僧長はヨランダの部屋に行くが彼女はすでに姿を消しており、修道院に尼僧長の悲鳴が響き渡る。

メモ

  • あらすじを書いたはいいけどよくわからない。ストーリーがありそうでないというか、それほどのドラマは起きていないんだな。
  • 国家カトリック国家神道的な意味で)が崩壊して、罪人が逃げ込む場ですらなくなった修道院が舞台で修道院は寂れているし崩壊寸前だし期待されるようなモラルもない。
  • ヘロイン吸いまくってるけどそんなに簡単に手に入るものだったの?そしてそんなにかっこいいものだったの?
  • 修道院の運営がよく分からない。尼僧長はMadre Superiora、さらにその上にMadre Generalがいるようだ。小学館の西和中辞典では、generalというのは修道会長らしいので、修道会長の下にいくつもの修道院のMadre Superiorasがいると考えればいいんだろうか?
  • 修道院というのはどういう運営なのか、80年代前半の視聴者は分かったのだろう。多分。
  • フランコ政権から民主化へと時代が動き、その中でカトリック教会の持つ意味は変質して地位も著しく低下した。システムそのものにもずいぶん変化が起きて、生き残れなかった修道院もたくさんあったに違いない。
  • 本編が始まる前の風景はどこのものだろう。マドリードには違いないけど、有名な場所なんだろうか。
  • 雌鳥、虎と動物が出てくるけど、何かの比喩なんだろうか。物事が持つ象徴の意味を取りにくい。めんどりは辞書レベルだといわゆる英語で言うチキンて意味もあるけど、キリスト教でも意味があるようだ。スペインではウサギが出てきたらセックスって言う意味があるらしいのだが、その手のもっと俗っぽい話だと辞書を見ても分からない。
  • 修道女達を見分けるのが至難の業。もう一回見ないと誰がどれか分からない。
  • そういえば今回は階段落ちはなかった。もちろん階段を使ったシーンは出てくるけど、特別印象に残るシーンではなかったと思う。