クィーン

「クイーン」じゃなくて「クィーン」らしい。
1997年、選挙で労働党が大勝。若きトニー・ブレアが首相になった。その夏、ダイアナがパリで自動車事故により死亡。女王は、すでにダイアナは英国王室の一員ではないし、子供たちのためにもならないと、ロンドンに帰ることも、公式声明も出すことなくスコットランド離宮で過ごし続ける。ダイアナの死を悼む市民たちは女王の不在に失望し、タブロイド紙には王室を厳しく批判する見出しが並ぶようになった。初めは女王の不在を利用したブレアだったが、女王説得のためやりとりをするうちに態度が変わり始める。
自分の感情は外に出さず、粛々と与えられた役割をこなすのが王室のあるべき姿と考えている女王が、「市民感覚」を求める人々とのギャップに直面する。その代表がブレアなんだろうけど、もちろん最初はお互い気にくわない。しかしブレアは女王の女王としてのプロ意識に次第に敬意を払うようになっていって、女王も気に入らないけど一目置くようになるというそこまでのやりとりがおもしろかった。もちろん二人だけじゃなくて、周りの人との絡みもよかったし。エジンバラ公フィリップが期待通り暴言を連発して道化っぽくなっているのもおもしろかった(エジンバラ公のこれまでの数々の問題発言についてはTop 15 Quotes of Prince Philip及び日本語Wikipedia参照)。
イギリス王家が引っ込んでいるバルモラル城に関するドキュメンタリーをこないだBBCで見た。それによれば、バルモラル城を気に入るかどうかがイギリス王室でうまいことやっていけるかの試金石になるとか。離婚歴のあるアメリカ人との結婚のため退位したエドワード8世も、ダイアナもバルモラルの暮らしが合わなかったという話であった。元々はビクトリア女王が気に入って購入したもので、スコットランドっぽさを強調するためにタータンチェックで埋め尽くされ、鹿の頭が壁に並び、趣味があまりよくないらしい。ビクトリア女王時代に招待されたロシアの皇帝が寒さに文句を言うくらい寒かったとか…。オフィシャルサイトもある。
ヘレン・ミレンの出ているものを見てみたいなと思って調べたらアイン・ランドの伝記ドラマアイン・ランド役をやっていた。amazonのレビューではきれいに票が割れている。


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