スペインの女性作家の短編集をひとまず二冊読んだ。日本の女性作家の作品(角田光代とか山本文緒を想定)と通じるものもあるけど、通じるだけに別にあえて読まんでもいいかなあという気もした。遠い国の人が離婚問題や四十代独身としての生き方に悩んでいる物語を読むのもおもしろいが、その手のネタなら日本人作家が書いたものの方が切実さがあるし、肌にべっとり張りつくような嫌な感じ、というのは日本の作家じゃないと味わえない。
ボリビアのセレブの恋愛ゲーム」「リマで働くOLの日常」をつづった小説があればぜひ読みたいのだが。考えてみれば、女性が曲がりなりにも一人で生きていて、本を趣味で読めるような社会じゃないとこういう本は売れないしそもそも書かれない。リマで働くOLさんもいるんだろうけど、そういう人は趣味で何を読むんだろう?いきなりバルガス・ジョサはないし、ハイメ・バイリーは女性が共感をもってさらっと読むような本じゃない。
スペイン語圏の本で、女同士の嫌な確執を描いてるのにまだ出会ってない。女同士の書簡体小説Nubosidad variable*1を買ったので、それに少し期待。

Nubosidad Variable

Nubosidad Variable

*1:アマゾンで普通に買えるのにびっくり