059 松谷浩尚『イスタンブールを愛した人々−エピソードで綴る激動のトルコ』

オスマン帝国崩壊前夜から第二次世界大戦終結に至る世界史の激動期にトルコに関わった12人を紹介する。各章は、1人の人物の紹介と、当時のトルコの情勢の解説から成り、トルコ現代史もおぼろげに分かるしくみ。トルコは新興国としての日本を意識していたようだし(ケマル・アタトゥルクは明治天皇の写真を飾っていたという)、日露戦争で日本が勝利したことを自国の勝利かのように喜んだ。今でも親日国らしい。
明治時代に海外に飛び出していった日本人のエピソードがおもしろく、その時代にわたしが生きていてもその辺の小市民で終わったに違いないけど、その空気を肌で感じてみたいとは思う。
トルコは知るほどに興味が増していく。いつか旅行したい。きっと気に入ると思う。もし住んだら、愛憎入り混じる感情を抱くようになる気がする。スペイン以上に。

イスタンブールを愛した人々―エピソードで綴る激動のトルコ (中公新書)

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