035 青山南『ピーターとペーターの狭間で』

80年代後半に書かれたものに、90年代初頭に手が加えられている。だからだと思うけど、全体に少し古い感じがする。文体とかか?こないだ読んだ柴田元幸の本も今から10年位前だから今の高校生とかが読んだらもしかしたら少し古いのかもしれないけれどそう感じなかった。単にわたしが90年代だったら同時代だけどその前だと絵本や児童書くらいしか読んでいないので文体になじんでいないだけ、かもしれない。
ネット以前の調べもの作業の実態を垣間見せるものに、Kirの話と、アダルト・パンパースの話がある。Kirの発音がキールかキルかというのはネットでは分からないかもしれないけれど、Kirが何かというのはたちどころに分かるかもしれない。アダルト・パンパースもそう。だからといって日本の翻訳物がここ十年でたちどころにおもしろくなったわけでもないので、情報を効率よく収集できるか否かというのと内容のよしあしはあまり関係ないのかもしれない。

ピーターとペーターの狭間で (ちくま文庫)

ピーターとペーターの狭間で (ちくま文庫)