023 亀山郁夫 佐藤優『ロシア 闇と魂の国家』

知らない人(哲学者作家政治家)の名前が出すぎて難しかった。しかし二人の熱意がものすごく、佐藤優のわからないところと異論のあるところをはっきりさせる話し振りがよく、最後までたどり着いた。
帯がプーチン政権についてのコメントだし、佐藤優は政治関係の人だし現代ロシア政治経済の闇の話が大半になるかと思いきやドストエフスキーキリスト教を軸にしたロシア性の話であった。
ロシアはヨーロッパではなく、アジアでもない。この本を読む限りヨーロッパ的な考え方とはまた異質な世界が広がっているようである。なんとなく連続性があると思ってしまうのだがそうとばかりもいえないようだ。ソ連という今はなき国家の内実と、よく知っている気がしている西欧文明と何かが違うらしい今のロシアの基盤と、ヨーロッパの隣にあって非ヨーロッパであることとどうやって向き合ってきた(いる)のかに興味がある。

ロシア闇と魂の国家 (文春新書 623)

ロシア闇と魂の国家 (文春新書 623)