015 Bowles, Paul. Up Above the World

中米と思しき国を舞台に繰り広げられる不条理劇またはサスペンス。あいかわらず、「彼は文句のつけようがないほど男前だった」とかシンプルに書いてあって、どう男前なのかとかの詳しい説明が一切ない。The Sheltering Skyと同様、無邪気な「自称旅人」アメリカ人が今回も事件に巻き込まれる。旅先での出会いって、うっかり気を許しがちだしとんでもない人に出会ってもおかしくないし、一人で宿をシェアしたりうろうろした経験のある人ならボウルズの作品世界の怖さはよくわかると思う。
わけのわからない形で出来事に巻き込まれて何の救いもないので読後感はよくないのだが、単純な文の連なりとシンプルな描写で話がどんどん進み、今回はサスペンス的要素もあるので読みやすいと思う。

Up Above the World: A Novel

Up Above the World: A Novel