詩と口説き

「マルティナは海」では、「二人のお気に入りのフレーズ」みたいな感じでウリセスがとある一節を暗唱しながらセックスに及んだりしていたが、そういや「アマロ神父の罪」でも「君の胸は…」と服を脱がしながらなにやら暗唱していた。スペイン語圏ではこういう詩を暗唱する男にうっとり、みたいな文化でもあるのか?と早まった解釈をしそうになったが、どちらも小説が原作で、アマロ神父に至っては19世紀の小説なのだな。現代スペインにもSMSに詩を送るサービスがあるので、甘い言葉をつらつら述べられるインテリ男性は魅力的と映るのかもしれないけども…。プイグの小説の中では、移民の子供たちはボレロの歌詞で女を口説く、とどこかに書いてあった。詩に限らず、歌詞など含む韻文で口説くって言う文化は日本にあるのでしょうか。カラオケで、今の心境にあった歌を目当ての子を見つめながら歌う、という話は聞いたことがあるが。
スペイン語圏におけるモテ」というのは追求してみたくてたまらないテーマだけど、いかんせん「モテ」ということばそのものがスペイン語で説明できず、人に聞くこともできずじまい。