Elena Poniatowska, Querido Diego, te abraza Quiela

ずっと前にコピーでもらっていたものを流し読み。メキシコの画家ディエゴ・リベラの妻だったロシア人がディエゴに宛てた書簡集、という体裁を取っている。
辞書ひかないで読んだというのもあるんだけどうーーーんこういう「異議申し立て」な小説はなんだかおもしろくないと思ってしまう。ディエゴ・リベラの偉大な人生を描いた読み物とセットで読む、あるいはその「偉大さ」をすり込まれている場合、もっと読み方は変わってくるのだろう。が、基礎知識がほとんどなく読んだ場合は「異郷で愛した男に見捨てられた女の悲しみ」を綴った悲しい話に映る。他人の手紙をのぞき見るのはおもしろいはずなのに、なぜおもしろくないのか。おもしろく理解するための文脈をずいぶん読者の側に負っているからなのか。
偉大な人物の愛人が語り手、というとSandra Cisnerosの"Eyes of Zapata"が思い出されて、どんな話かみようと思ったら家になかった。サパタの愛人のほうは確か魔女か何かで、空を飛んだり出来たのだと思う。で、その話もおもしろくなかったように思う。それはおそらく、メインカルチャー(この場合はメキシコのメインカルチャーだろうか)への異議申し立ての手法があまりにも分かりやすく透けて見えるのと、それでいてプロパガンダらしい話の分かりやすさがない、ということに依ったのだった。
文句ばっかりだな。スペイン語も分かるようになったことだし、チカーノもまた読もうとしてるのだけどこの先も文句ばかりになりそう。