ようやく、先週出頭のお知らせが届いていた滞在許可証の手続きに行った。十二時までなのに、起きたら十一時であわてて出かける。外務省の出先機関のようなところでは、ただ書類を渡され、これを持って警察署に行くように、と言われただけだった。その後写真を撮って警察署へ。これも係員が雑談の合間に写真を貼って指紋を採っただけで、一瞬で終わった。許可証そのものはまだもらうことができず、今日から一月半後だとのこと。三ヶ月以上の滞在だと必要、と言うことだが、半年程度の人だったらもらわぬまま立ち去ることになるのではないだろうか。
昼食のあとは洗濯物を干し、新聞を読んでから荷物を送ったりネットしたり図書館で勉強したりした。図書館学のシラバスを訳す約束をしたのでそれに取りかかったが意外に難しい。まず、専門用語が分からない。そして文章が曖昧で訳しにくい。参考にと読み出した本は、マニュアルの癖に文章術をひけらかすかのようにホメロスやらなにやらの名前を挙げまくったり華麗な比喩を使ったりするのでものすごく読みにくく苛々した。比喩や例示を減らせば、七百ページが五百ページ以下にはなるのではないか。
同居人は今日も死ぬほど勉強したようだ。司法試験を目指す人のように図書館に通い詰めている。私は今日は友達からの誘いがあったのだが、メールを見たのも遅すぎたし止めにした。
バルセロナでは地下鉄の工事のために住人を立ち退かせ、一つの建物を壊したところ他のも壊れただか何からしく、大変問題になっており、テレビのニュースでは毎日流れている。どうもアリの巣が原因だったとのことだけど…。よく聞き取れないので、新聞で見ようとしたところ全く載っていない。地元の地方紙(el Norte de Castilla)はバジャドリード県に15ページ、カスティーリャ・イ・レオン州に10ページ、地元のイベント情報に2ページ、求人情報売ります買いますなどには10ページほど割くが、国内に5,6ページ、国際面に至っては3ページしかなく、地域以外のことが分からない。今日は全国紙(el mundo)を買ったのに、やはり載っていない。スペインの国家としての動きと、地域のことしかニュースにならないのかと思う。
こちらに来てから、感じのよい店員に会うことはあるが、サービス精神に溢れた店員に会うことはまずないし商売っ気も異常にない。客のことはどうでもいいようだ。今日も写真屋もパン屋もキオスコも笑顔無しだった。だいぶ慣れたけど、日本でこの態度にあったら傷つくように思う。