現代詩手帖1996年6月号 フェルナンド・ペソア特集

私が好むもの全てに四方田犬彦が解説を書いている。これもそう。
オクタビオ・パスペソア論の抄訳が載っているのはおもしろそうだ。あとペソア研究者でもあるタブッキとか。冒頭の座談会(池上岑夫、四方田犬彦澤田直。池上氏の写真が渋くてすてき)と、そのあとの論考三つくらい読んだけど、詩の解説はよくわからない。ペソアはいくつも異名を持って書いたとか、イギリス式の教育を受け、半ば異邦人のようなかたちで故国ポルトガルに帰ってきたとか、作者にまつわるエピソードや創作の姿勢には興味を覚えるのだけど、詩自体にはあまり興味が湧かない。日本語に訳す時点で漏れ落ちているものも多いのだろうけど。『不穏の書』は好きなのだが。