宋美玄『内診台から覗いた - 高齢出産の真実』

読売新聞のウェブサイトでの連載に加筆したもので、とてもよみやすい。副題に「高齢出産の真実」とあるけど、高齢出産に限った話ではなく、高齢出産以外の妊娠出産全般のことを医者と妊婦当事者の目線から書いているので、昨今の妊娠出産事情に興味がある人にはおすすめできると思う。実は読んだのがだいぶん前で内容を忘れてしまったのだが、頭の中が整理できたし知らなかった知識を仕入れることもできた(それが何かは忘れた…)。
30代での出産は20代での出産と比べるとかなり違うらしく、高齢出産でなくてもリスクが高い。というのはなんとなく知っていたような気もするのだがいざ妊娠出産となると、現実問題として不安にもなって、20代で産んどくのがよかったのかなあ、などと考えたりもする。が、著者も言うように(確か)、年齢は戻せないしリスクはあるが産みたいときに、産めるときに産むしかない。私の場合、20代の内に産んでいたら今よりも悩み多き日々を送ったに違いなく、そもそもいろいろな事情があって妊娠する予定はなかったのだから今さら後悔することもないのだが、自分のことも周りのことも考えても、産みたい気持ちがあってパートナーがいるのであれば、早め早めに挑戦した方がいいと人には言うかも知れない。もし子供ができにくいことがわかっても対処しやすかったり年齢も余裕があったり、健康面で不安が少なかったり、その他親も元気で手伝いが見込めるとか、いろいろメリットがある。しかし個々人の事情があるから押し付けることもできないよなあ。

内診台から覗いた - 高齢出産の真実 (中公新書ラクレ)

内診台から覗いた - 高齢出産の真実 (中公新書ラクレ)