Lost in Translation
ざっと見る必要があって借りた。二度目。本当にざざっと早送りしたが、日本語を全然知らない人が見るものであって、日本語話者が見るものじゃないな。英語版は、日本語の字幕が一切ないので日本語が分からなければ主人公達の体験を追体験することになるけど、日本語が分かったり日本を知っているとそれができない。
あと主人公二人、異国での孤独みたいになってるけど、日本みたいなトラブルの少ない場所で高級ホテルに泊まる数週間の旅行でごちゃごちゃ言うなって思ってしまう…。留学した2004年に、日本といえばこれだけど見たかって何度か聞かれた。あのときはまだ見ていなかったので詳しく話し合うことはなかった。日本といえば、とこの映画を持ち出されるんだったらまだサユリの方がいいかな。全編英語だったり、日本舞踊がどう考えてもおかしかったり、主人公がチャン・ツィイーだったりと「日本らしさ」について考えるとおかしい映画とも言えるけど。
とにかく気にくわない。スカーレット・ヨハンソンは、地味な服で髪がぼさぼさだったりするけどかわいく色っぽく、東京の街も美しく撮られているのに。男女が惹かれ合いながらもひとときの心の交流だけで別れて二度と会わない、みたいな話は好きなはずなんだけどな。代表はOnce。
Lost in Translationは、舞台が東京じゃなくてもどこでもいいじゃないかって思うからかな。言葉も違っていて、文化もアメリカとは全然異なるけど、トラブルに巻き込まれるようなことはなく、便利で、どこかおしゃれなところもある。そういうところって確かに考えてみるとあり得るのはソウルぐらいで、シンガポールや香港だと英語が簡単に通じてしまうから除外されるし、意外と見つからないから日本というのはいい選択肢なんだろうけど。バカンスに行った人がはしゃぐ、というパターンとあんまり変わらないからか。お互いにパートナーはいるのに孤独、という話ならあえて異国にしなくても、ニューヨークでよくないか。もやもやをまとめると、
- 日本を描く作品の代表作と思われている節もあるのに、実際は日本という場所は書き割りに過ぎない。
- ビル・マーレイが苦手。
- 主人公二人がセレブすぎ、出てくる日本人もおしゃれ感が高く、全く感情移入できない。
- 日本人通訳の描き方がひどすぎる。英語通訳みたいな層の厚い業界で、有名人の通訳にあんな人付かないだろ。
- 都会の孤独をおしゃれな映像で静かに綴るような映画が苦手である。
という感じか。どれも、だからいいのに!という人がたくさんいると思う。
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