007 ブルース・チャトウィン『パタゴニア』

五年以上積読だった気がする本をついに読了!
詳しい感想はまた書くけど、Que tal?は「何?」じゃないと思うよ。
追記(1/15)
クーデター後、1977年以前のパタゴニア旅行記。その始まりは、チャトウィンの少年時代にさかのぼる。祖母の家にあったミロドンの毛皮に魅せられたのがパタゴニアとの出会いであった。この旅はその毛皮をもたらしたチャールズ・ミルワードの足跡を辿る旅であり、また、パタゴニアに移住したイギリス、スコットランドの人々、そこを舞台に活躍した奇妙な人々、亡命者を訪ねる旅でもあった。
なので、パタゴニア雄大な風景がどうとか、そういったことはあまり描かれていない。それより人々に重点が置かれている。地元の今生きている人々よりも、かつて活躍した死んだ人々、滅びたインディオが描かれる。この本を貫くチャールズ・ミルワードの話が分散しているのであまり読みやすくはない。外国人の名前が覚えられないというのも原因か。また、下に書いたEdwardian periodではないけれど、「イギリス人ならさっとわかる知識」が多く話に入りにくい。
イギリスはアルゼンチンの経済に深く食い込んでいたし実は移民(スコットランドが多いのかもしれないが)も送り込んでいる。また、ナチの残党やボーア戦争に敗れたボーア人、ロシア人など国を逃れてきた人も多くいるようだ。
イギリス人が書いた歴史の本なんかも読んだら面白いのかもしれない。航海誌も英語のものがいくつもあるようだし、アルゼンチンが日本における南米の歴史研究の中であまりクローズアップされないのもそのへんに理由があるのかもと思ったりしたけど詳しいことはわからない。

パタゴニア

パタゴニア