シェルタリング・スカイ』、ようやく三分の二を突破。読めば読むほど「自業自得」という言葉が頭をよぎる。なんでも金で解決しようとするのは「旅人」というよりもたちの悪い観光客の典型だよなとも。Jamaica Kincaidが観光を辛らつに描く作品(『川底に』か『小さな場所』かどちらかに所収。思い出せない)と抱き合わせで読むと苦々しい読後感でよろしいのではないかと思う。
あと、主人公二人のたどった道を追おうと思っていたのだが難しい。1940年代の北アフリカは、今とは国境が異なっている。まず、北アフリカ全体がフランス領である。アルジェリア独立戦争の前の話だ。フィクションの中の地名を現実とことさら結びつける必要などないという話もあるのかもしれないけど距離感などがわからないと理解しづらい。英語で読むとなるとなおさら…。もしかすると、日本語訳には地図がついていたのかもしれないが私の持っているペーパーバックには地図はない。
旅の始まりはおそらくアルジェであり、最後には現在のアルジェリアのかなり奥地まで赴くようである。