コマンダンテ

ユーロスペースにて。ミニシアターというとたいてい駅裏のパチンコ店の二階にあったり、下町の商店街にあったりするものだけどさすが東京渋谷のど真ん中で建物も洒落ている(周りはラブホ街だけど)。
カストロに三日間密着したドキュメンタリー。カストロしゃべりまくり。都合が悪くなると人を煙に巻きつつ、話は明快でユーモアもあり、人を射抜く目の鋭さもある。長いひとさし指を突き出して話すのが癖らしい。若い頃の映像が時折挟まれたが、演説はその場にいたら陶酔してしまうような種類のものだった。カリスマなのだろう。キューバ危機など歴史をもっと知っていると、さらにおもしろい映画だと思う。
アメリカで上映禁止になったと言うけど、なにがそんなに問題なのだろうか?オリバー・ストーンはあくまでも淡々としているし、キューバを称揚しているというわけでもない。
関係がないが、チェ・ゲバラの男前ぶりにびっくりした。イラストなんだか写真なんだか分からない例のおなじみの顔面図しか見たことがなかったもので。カストロは今なお権力を持ち生き続けている一方、ゲバラは革命のさなかに活躍してその後を見せずに死んでしまったからあんなに英雄視されているのかと思っていたけど、美形だからってのもあると思う…。