村井康彦『京都史跡見学』

ジュニア新書の読書録と化している。史跡見学、と銘打っているが、史跡を手がかりに歴史の細々としたところを述べた本と言ったほうがいいかも。京都が最新鋭の都であった平安時代から室町までと、その後、最先端の都という地位を失い「古都」として、観光地として認識されていく江戸時代までが中心。明治もちょろっと載っている。
京都は土地勘があるし、地名にも耳慣れたものが多いからこういう本でも取っつきやすい。高校時代も、大学で京都に住んでからも、日本史にはとんと興味がなかったが、近頃こういう本を読んでいると憧れて京都の大学に行く人の気持ちもようやく分かる気がしてきた。住所が「○○上ル」とか「下ル」というところに住みたかった、住所に入っててうらやましい、と言われて困惑したこともあったな。

京都史跡見学 (岩波ジュニア新書 51)

京都史跡見学 (岩波ジュニア新書 51)