川村湊「文学から見る『満洲』」

文学を通して「満洲」の実像を探るこころみ。岩波新書の「異郷の文学」と内容はほぼ同じ。白系ロシア人朝鮮人、満人の文学など、日本人入植者の作家も入れてあるところが違うらしい。「王道楽土」のスローガンの裏に隠されたひずみとかを作品を通し読み解いていく。個人的な問題だが、こういうルートでしか「戦争」に近づけない気がしている。だが、それは「私が見たい戦争の姿」でしかないのかもしれない。つまり、英雄譚とかではないということだ。
小学生のころ、毎年教科書には太平洋戦争の話が一つ載っていたが、あれは今は、どういう話が載せられているのだろうか。今もあるのだろうか。