リバーズ・エッジ

駅前のコンビニには、ピンクの甚平を着た高校生くらいの女の子や男子校生などがだるく座っている。道はだらりと広く、平らな工場が立ち並ぶ。夏休みの暇な時間をもてあましているような中高生が、カラオケやゲームセンターの入っている複合施設の前にたくさんいる。人通りの少ない道を上下赤のジャージを着たヤンキー風女子とその仲間が歩いている。少し離れたところに大きな橋が見えた。このあたりには川が流れていて、この川をもう少しさかのぼったところに私の中学校もある。学校のすぐ裏が堤防だった。『リバーズ・エッジ』を思い出したけど、別にあの世界があったわけではない。そんなことを確認して、私はまだ、このあたりの風景に似た空気を、映画や本やら漫画やらで見たことがないのではないかと思ったりした。大通りを車が走り、くすんだ町並み、大きくて平らな建物、色使いのけばけばしい看板、そんなものは特別な風景なわけではないのに。