カルペンティエル『光の世紀』

カルペンティエルは『失われた足跡』と『バロック狂騒曲』と読んだけど、これがいちばん好きかもしれない。上にあげた二作と同様、教養のひけらかしがすさまじい。でも、兄弟三人が屋敷の中でさまざまなものをぶちまけ室内が箱だらけになり、そのなかで箱の山に「アイルランド」とか名前を付けて遊ぶ場面は、固有名詞の羅列も科学系の道具や怪しげな本やらが散乱する室内と重なってにぎやかでたのしいものに思えた。しかし、やたらと長いので最後まで読めるのかかなり不安。