Auster, Paul. Oracle Night

Oracle Night

Oracle Night

途中で最後が気になって、後ろの方から読んでしまい結末を知ってしまってから続きを読んだためかもしれないが、なんだか尻すぼみに終わってしまった。話自体がそうだったのか、私が結末を先に読んだから悪いのかが分からない。Oracle Night自体の話をもっと読みたかったのだが一番外側の話だけになってしまったよなあ。Oracle Nightに関わる最初の3分の1が特におもしろかった。外側の話よりも中に行くほど話が力強いと感じた。
扱われているテーマは前に読んだものでも扱われていたと思う。ニューヨーク三部作と、ムーン・パレスを読んだのだけど詳しく話を覚えていなくて今比べることはできないが…。ムーン・パレスを読んだというメモは当時書いていたウェブ日記のどこかにあると思うのだけど、もしかしたら消してしまったかもしれない。読んだのはもう10年以上前だと思う。
村上春樹もそうなんだけど、最初に読んだ頃よりも年を取って今や主人公と同年代で、置かれた状況も似ていたりするので、前読んだ時よりも感慨深い。何かがより分かるようになったかはわからないけど、小説を読む楽しみは年々増えていくのかもと思う。読めなくなる本もあるんだろうけど。「人間失格」とか今読んだら高校生の頃みたいな感想は持たないだろうし、恥ずかしく思うのかもしれない。