きのうのこと。
天神橋筋商店街のほうまで出て飲み。よいお料理を食べさせてもらったのに、その辺の定食屋と同じくらいの味わい方でぱくぱく食べてしまい後悔する。ワインもおいしかったけど詳しいことが思い出せない。
ボルヘスドラえもん説」が提唱されたり、「あの人は山本譲二を崇拝している」という別の席の見知らぬ人の言葉に思わず笑ってしまったりと変に密度の濃い時間を過ごした。
他人の解釈と分析を誘ってしまう人物、というのはなんなのだろうかと朝になって考える。多様な解釈を誘うテキストは魅力あるテキストということを思えば、そうした人物もつまり魅力的ということなのかと。
きょうのこと。
前後関係を入れ替えた文書を制作中。書いてあることはほんとうだけど嘘だ。

エンマ・ツンツの口調に偽りはなかったし、彼女の廉恥心に偽りはなかったし、彼女の憎しみに偽りはなかった。彼女がなめた屈辱もほんとうだった。ただ、その場の情況と、時と、一つ二つの固有名詞だけが嘘であった。

ホルへ・ルイス・ボルヘス「エンマ・ツンツ」『不死の人』所収